ある程度、手に汗をかくのは誰でもあることです。
しかし、あまりにも頻繁に、しかも大量の汗をかいてしまうのは、もしかしたら何らかの病気のサインかもしれません。
それでは、どういった可能性が考えられるのか考えてみましょう。
ただし、素人判断にはリスクがありますので、心配な場合は、医師の診察を受けるのが安心でしょう。
汗をかく量は人それぞれ?汗をかきやすい部位は?
どれだけ暑い時期に運動しても、それほど汗をかかない人もいれば、滝のような汗を流す人がいます。
発汗の量にはかなりの個人差があります。
また、かきやすい部位も各々によって異なります。
どの部位の発汗量が多いのかを説明していきます。
頭部
夏場に強い日差しの中、歩いていると頭にびっしょりと汗をかいた経験がある人はかなりいるはずです。
髪の毛がある分、熱がこもりやすいため、頭部周辺の体温を下げる頻度がどうしても高くなります。
脳は熱に晒されると危険なため、体は常に頭の温度は適切に保たれているのかをチェックしています。
背中
就寝中にかく汗は、背中から出るものが多いという特徴があります。
人の体には体温調節機能が備わっているため、寝ているときにもっと体温を下げたほうがいいと体が判断すれば、背中からの発汗があります。
他の部位ほどは大量の汗が短時間で出にくいため、実感しづらいという特徴があります。
胸
こちらも背中と同様に、寝ている最中にかくことが多いです。
脇の下
脇の下にはアポクリン腺が存在します。
アポクリン腺から出る汗は、臭いが強い汗です。
なので、脇の下に汗をかくと臭いが気になる事になります。
(臭いの程度も個人差がかなりある部分ですが。)
足の裏
ずっと靴を履いた状態で一日過ごすと、靴の中にむわっとした臭いが立ち込めます。
それは足の裏に汗腺がたくさんあることと無関係ではありません。
足の臭いに悩む人は素足になったり、スリッパを履いたりして通気性を良くすることで改善が期待できます。
手の平
緊張状態におかれた人は、無意識のうちにぐっと拳を握り締めることなどが多くなります。
その際に、手の内側からじんわりと汗が流れ出ていることを実感する人も多いでしょう。
手の平からの発汗は、精神面が原因の場合もよくあるため、何によって汗をかいているのか?を自覚する必要があります。
ある時期を境に汗が急に増えた場合には注意が必要
大まかに言うと、ある一定の箇所だけたくさん汗をかいてしまう人と、全身に発汗が見られる人の二種類に分類できます。
自分がどちらに当てはまるのか考えてみましょう。
全身に発汗が多い人が注意すべきこととして、何らかの疾患である可能性も考えられなくはありません。
特に、ある時期を境に大量の発汗が見られるようになった人は、何かの病気の可能性も考えてみた方がいいでしょう。
結核や糖尿病、更年期障害、甲状腺亢進症、自律神経の病気など、汗をかきやすく事がある病気はいくつもあるので、体調が悪化したタイミングで発汗が増えたのであれば、医師の診察を受けた方がいいと言えます。
手の平の発汗について
先ほど、心の状態によって発汗することがあると書きました。
脇などもそうなのですが、やたらと手の平に汗をかいてしまう人は、精神が原因であるケースがよく見受けられます。
例えば、プレッシャーを感じやすい状況や、焦り出したりすると手汗が止まらなくなる人がいます。
これらの症状を「精神性発汗」と呼びます。
精神が原因で発汗が見られる人にはいくつかの特徴が挙げられます。
完璧主義
物事を完璧にしなければ気が済まない人は、つい自分を追い込んでしまいがちです。
「こんなレベルじゃダメだ!」「もっと完璧にやらなきゃ意味がない!」と思いすぎるあまり精神が圧迫されるのです。
その結果、手汗という形で精神面の動揺が現れます。
この手の汗は、「心の涙」とも表現される事があるほど、本人の切迫感が出ています。
自意識過剰
電車に座っているときに、前にいる人たちが笑ったとしましょう。
それを「何か楽しそうだな」と捉えるのか、「もしかして自分のことを笑ってるんじゃあ…」と認識するのか、そういった物事の捉え方で、手にかく汗の量は大きく変わります。
自意識過剰の人ほど、全ての事象を自分と結びつけてしまいがちです。
客観的に見れば、焦らなくてもいい状況で自ら袋小路へと入っていく傾向にあります。
俯瞰で物事を見られるようになれば、自意識はかなり薄れます。
そうなれば手汗の量もおのずと減少するのかもしれません。
緊張しやすい
内向的な人は、人前で話すのが苦手な場合が多いです。
たくさんの人がいる前でのスピーチなどは、誰でも心拍数が上がるものです。
「失敗したらどうしよう…」「上手く話せないかもしれない」と自身を追い詰めることで、どんどん汗の量が増えてきます。
人によっては手から滴り落ちるほどの汗を流すこともあります。
心を鍛えれば汗が治まることもある?
緊張すると自律神経の一つである交感神経が活発に働くようになります。
それが手の発汗につながるのです。
認知行動療法という心の負担を軽減するやり方があるのですが、それは苦手なものや状況に慣れる訓練です。
あがり症の人でも人前で何度も話すことを繰り返すうちに、緊張しなくなることがあります。
そうなると汗の量もかなり減ってきます。
精神面が原因での発汗は、心を強くするというアプローチによって改善が見込めることもあるのです。
対処法は必ず見つかる?
様々な研究が進んだことで、精神面のみだけでなく薬や医薬部外品などによる多汗症へのアプローチが可能になりました。
各々のやり方を試してみれば、自身に合ったものは必ず見つかるはずです。
ただ、繰り返しになりますが、汗が多いことで悩んでいる方は、素人判断するのではなく、医師に相談するのが最善でしょう。