手の平に異常なほど大量に汗をかく人は、「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」という病気に分類されます。
(もちろん、ただ単純に手汗が多いからといって、必ずしも手掌多汗症だというわけではありません。その病気に該当するかどうかは、医師の診断を必要とします。)
少量の汗であれば通常の人でもかくわけですが、あまりにもたくさんの汗が出てしまうと、日常生活にも支障が出てしまいかねません。
それでは、どうしてそんなに多くの汗をかいてしまうのか?、どうすれば抑えることができるのか?などについて紹介していきます。
手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)について
発汗は人間に備わっている自律神経と深い関わりがあります。
そのため、まずは手汗についての話の前に、自律神経についての話をします。
自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類があります。
この二つは一日の中で拮抗していたり、どちらかが優位になったりと移り変わるものです。
交感神経が優位のときは、緊張状態が高い時です。
仕事をテキパキこなすためには、交感神経が活発に働いていなければなりません。
一方で、副交感神経が優位になると、ゆったりとした気持ちになります。
リラックスした気持ちで休息を取るためには、副交感神経が優位である事が望ましいです。
発汗には種類がある
人間が汗をかくのにはいくつかの理由があります。
ほとんどの人が経験している「精神性発汗」は、文字通り心が原因で起こる発汗です。
多くの人を前にしてスピーチするなど、緊張状態が高まるとじんわり手の平に汗が浮かんできます。
もう一つ「温熱性発汗」と呼ばれるものも存在します。
こちらは体が熱を逃がすために行うものです。
体内に熱がこもりすぎると、汗を出すことで少しでも体の温度を下げようとします。
頭や顔、手や脇、足裏といった部位は汗腺が多く、もともと汗が出やすい箇所です。
どこから汗をかきやすいかは個人差が生じるものの、手の平からの汗で悩む人は決して少なくありません。
精神的発汗は太古の名残?
人間は今のような生活を始める前の祖先達は、狩猟などによって生計を立てていました。
緊張状態で汗をかくのはそのときの名残とも言われています。
じんわりと手足に汗をかくことで、それが滑り止めの効果を果たして移動がしやすくなるのです。
気にしすぎると余計に止まらなくなる汗
ナイーブな人は汗が出ることで様々なことを考えてしまいます。
「汗が出始めてるけど、止まらなくなるんじゃ…?」とか、
「こんなに手汗が出るのは私だけかも?」、
などと気にしすぎる人もいるようです。
それによって交感神経の働きがますます高まってしまい、発汗に拍車をかけてしまうケースもあります。
多汗症にはどんな治療法・対策方法がある?
汗をかく原因についての話をしたところで、次にどのような治す方法や対策方法があるのか見ていきましょう。
治療方法や対策方法は複数あります。
交感神経遮断の手術
先ほど説明した通り、過度な手汗は、交感神経の働きと密接に関係しています。
手汗をつかさどる交感神経が胸部付近にあり、この交感神経を部分的に遮断(切断)することで、ぴたっと手の汗をとめることができます。
ただし、副作用として代償性発汗という発汗が生じる事が多くあります。
これは、手に汗をかかなくなった分の汗を、背中や胸、太ももなど、手以外の部分に汗をかきやすくなるという現象です。
また、その他の副作用として、手術後に手が乾燥してカサカサになって、保湿などのケアが欠かせなくなるといった事もあるようです。
このように、手汗治療の手術は、非常に高い効果をほぼ確実に得られますが、それ相応の副作用もあるという事です。
ですので、手術による治療は、ほかの対策方法を試してからの方がいいのかもしれません。
(もちろん、素人判断はしないで、医師に相談して決めるのが一番でしょう。)
電気による治療
次に、イオントフォレーシス療法と呼ばれる電流による治療方法があります。
多汗症の治療したい部分(手汗に悩んでいる場合は手)を水に浸して、そこに少しピリピリとした刺激を感じる程度の微弱な電流を流します。
電気が皮膚の表面にある汗腺の出口に作用して、汗が出てくる穴をすぼめる事により、発汗を抑えると言われています。
副作用がほとんどない代わりに、汗を減らす効果も比較的穏やかなもので、数カ月程度経つと元のように汗が出るようになるため、繰り返しの処置が必要になると言われています。
精神的なアプローチ
心の揺れ動きが原因で汗をかいてしまう場合は、精神の鍛錬を行うことで強いメンタルを手にすることができれば、汗を抑える事ができる場合もあります。
どんな状況でも動じなくなれば、精神的な原因では発汗しなくなるわけです。
意図的に心を落ち着けるようにする、自律神経の訓練や、心理療法、精神安定剤による治療などがあります。
ボツリヌス注射
ボツリヌス注射では、数カ月~半年ほど汗を止めることができると言われています。
発汗しやすい箇所に、ボツリヌス菌が作るボツリヌス毒素を精製して人体に害が無いようにように加工されたものを注射することによって、交感神経をマヒさせる事により汗を抑えます。
(発汗を促すアセチルコリンという伝達物資の分泌を抑制すると言われています。)
その他、内服薬やアルミニウム・ローションの塗布による治療法もあります。
市販の制汗剤などによる対策
ここまでに紹介した方法は、医師による処置ですので、病院や診療所に行って診察を受ける必要があります。
手汗に悩んでる方は、手汗によって生活に支障があるものの、お医者さんに診てもらうところまでは、ちょっと踏み切れないという方も少なからずいるでしょう。
そういった方は、もちろん医師による診察を受けて適切な治療をしてもらう方が確実で、安心だとは思うけど、わざわざお医者さんに診てもらうのは、自分で出来る対策方法を試してみてから、と思うのではないでしょうか。
そういった方におすすめなのが、市販の制汗剤による手汗対策です。
こういった商品は、医薬部外品などに分類されるため、処方箋などは不要で簡単に薬局やドラッグストア、ネット通販などで購入することができますし、手軽に使う事ができます。
ですが市販の制汗剤も、刺激が強く手が荒れてしまうようなものや、低刺激で手に優しい代わりに、ほとんど手汗が抑えられない製品などもありますので、しっかりと選ぶ必要があります。
市販の制汗剤の中でもお勧めなのが、制汗基礎クリーム「テサラン」です。
テサランは汗が出る前に皮膚へ塗りこむことで、発汗を抑制してくれるクリームで、お肌に優しい上に高い制汗作用を持つ商品です。
最近では、女性だけでなく男性でもを使用する人が増加している人気の手汗対策グッズです。
1箱を使い切っていても、購入後365日間の返金保証が付くという、非常に安心の返金制度があり、気軽に試す事ができるのもおすすめの理由です。
テサランについてより詳しく知りたいという方は、以下のページをご覧ください。
⇒テサランの口コミ~TESARANは手汗対策に効果ある?評判は良い?~
まとめ~自分に合ったやり方を選ぶことが大切です~
ここまで紹介した通り、手の汗を抑える方法は多岐に渡ります。
一つのやり方を試してみて、自分に合わなかったからといって、悩んで立ち止まる必要はありません。
手汗で生活に支障が出ているのを我慢するくらいなら、すぐに別のやり方を試してみましょう。
汗が気になりだすと行動にブレーキがかかることも少なくないのです。
手汗で様々な事に消極的になっては自分の人生の可能性を狭める事にもなりかねませんから、その悩みを解消することは、楽しく人生をおくる上でとても重要です。
手汗による劣等感を克服する事は、前向きに生きることに大いにつながるでしょう。
手汗に対処する方法の選択肢は豊富にありますので、自分にマッチした方法を探してみてください。
もちろん、自分ではどうしようもなかった場合には、医師の診察を受ける事を考えておきましょう。