季節問わずに悩むことの多い手汗、例え冬でも手袋を取ると手汗でじめっとしたり、室内での暖房でいつの間にか手汗が滲んでいたりと、夏場は勿論、年中手汗に悩まされている方も多いでしょう。
悩んだ末に医者に相談したところ、「手掌多汗症」と診断されて、耐え切れずにとうとう手汗を止める手術をするというのは早計です。
(もちろん、医師が手術以外の選択肢が無いと言うのであれば、やむを得ないかもしれません。)
確かに、手術を行うことで、その部位は一切汗をかくことがなくなるかもしれません。
ただし、ある部分の汗を止めた場合、高い確率で「代償性発汗」というものが発生します。
これは、ある部分の汗を止める事で、別の部分の汗が増えてしまう現象です。
このように、手術というものは、非常に効果が高いために、その以外の部分への影響も大きいものとなります。
(薬で言う副作用のようなもので、効果が高い薬ほど、副作用も大きくなるという事です。)
さらに、手術するとなれば、大きな費用がかかる事になります。
そのため手術は、あくまで最終手段という位置付けにして、先にその他の対策方法をしっかりと試してみるべきでしょう。
ですが、やはり素人判断にはリスクがありますので、必要に応じて医師に相談するのを選択肢に入れておくべきでしょう。
今回は、汗についてのメカニズム、手術の危険性、そして手汗対策の方法などについて解説していきます。
そもそも汗とはなにか
まず、手汗などの悩みを解決するためには、原因である汗について知ることが必要不可欠でしょう。
そもそも汗はなんなのか、なぜ汗が出るのかを知って、対策しましょう。
汗とは、一部の動物、特に哺乳類に存在する体温調節機能です。
人間や馬などは汗を流すことで体温を調節して、身体を壊さないようにしています。
(また、人間の場合は退化していますが、汗には異性を誘惑するフェロモンの効果もあり、そういった用途でも使用されています。)
哺乳類の一部には汗腺が存在しないものもいて、水棲ないし水棲に限りなく近いクジラやカバ、カバに近い祖先を持つ像などは汗腺を持っていません。
(周囲の水で体温を調節できるためです。)
また、犬も汗腺をほとんど持っていません。
ではどうやって体温調節を行うのかと言うと、犬の場合は舌についた唾液を蒸発させることで行います。
(犬がよく舌を出しているのは、体温調節のためです。)
他にも猫は足の裏にだけあるなど、一部に汗腺を持つ動物はいます。
それに対して、人間の場合ほぼ全身に汗腺が存在します。
そのため、汗は全身の体温を調節するために分泌されるのです。
汗を出す汗腺の種類について
人体にはほとんど全身に汗腺が存在します。
その中でも、一般的な汗を生み出すエクリン腺と呼ばれる汗腺から分泌される汗は99%が水分でできています。
その成分のほとんどどが水なので、汗の匂いはほとんどありません。
ただし、汗の水分で菌が増殖してしまう事によって、臭いが発生する事もあります。
汗を出す汗腺には、エクリン腺の他にも、「アポクリン腺」と呼ばれる汗腺もあります。
こちらから分泌される汗はアルカリ性で、水分は70から80%程度、残りとタンパク質や脂質、アンモニアで形成していて、臭いが強い汗です。
手汗を止める手術のデメリットについて
汗についての説明をしたところで、次は手汗を止める手術について説明していきます。
前述の通り、手術を行うことでその部位は汗をかかなくなりますが、多くの場合「代償性発汗」という現象が発生します。
これは、簡単に言ってしまえば他の部位の汗が増えるというものです。
この代償性発汗によって、手術をした部分以外の汗が増えて、手術後に後悔するというケースも少なくありません。
こういった手術のデメリットも理解した上で、手術を行うかどうか考えておくべきでしょう。
手術以外の手汗対策について
このように、手汗を防ぐ代わりに、他の部分が汗ばんでは意味がありません。
とはいえ、手汗はコミュニケーションや日常生活に必須である手に発生するものなので、どちらが困るかと言えば手汗かもしれません。
だからといって、それでは今度は別の部分の汗に悩む事になるかもしれませんから、先に手術よりももっと穏やかな手汗対策を試しておくべきでしょう。
その時に、最も現実的な対策方法として考えられるのが、制汗剤を用いて手汗対策を行う事でしょう。
ただし、制汗剤にはデメリットもあります。
一般的な制汗剤メリット・デメリットについて
一般的な制汗剤には、有効成分の面から考えると、大きく分けて2種類あります。
まず、一つは制汗効果は高いものの、お肌への刺激が強いものです。
次に、お肌に優しいものの、制汗効果はいまひとつというものもあります。
そのため、
・お肌に優しい制汗剤を使ったら、肌荒れは起きてないけど、ほとんど手汗が改善されない
多くの制汗剤に対して、この2つのどちらかの不満が多いのです。
その原因としては、制汗剤の有効成分として主流の2つの成分の影響が大きいです。
まず、1つ目の制汗剤の成分は「塩化アルミニウム」です。
これはとても制汗力が高い成分なのですが、肌への刺激が強いという問題があって、一定量以上配合されているものを利用する際は処方箋が必要になる程です。
制汗剤による肌荒れの原因は、この塩化アルミニウムを使用した製品を用いた事による場合が多いでしょう。
次に、2つ目の制汗剤の成分は「フェノールスルホン酸亜鉛」です。
これは肌へ優しい代わりに、制汗力の面で劣り、汗を抑えるという効果は大きくは期待できない成分です。
(もちろん、軽い手汗の悩み程度であれば、こちらの成分を配合した制汗剤でも、十分に対策できる可能性もあります。)
まとめ
以上が汗と多汗症対策においての手術の危険性と制汗剤についてでした。
手術は非常に効果の高いものですから、その効果に見合ったデメリットもあります。
(さらに、費用の問題もあります。)
ですので、手術は最後の手段といった感じに考えておき、その前に様々な手汗対策の方法を試しておくべきでしょう。
おすすめ手汗対策商品としては、「テサラン」があります。
テサランは先述の制汗剤の2種類の有効成分とは異なる「クロルヒドロキシアルミニウム」という成分を採用しており、これは制汗力の高さと刺激の低さを両立した成分です。
テサランを使用した人の体験談や口コミは以下のページで紹介しています。
ただし、繰り返しになりますが、手汗の悩みを自分でどうにかしようと悩み過ぎずに、必要に応じてお医者さんに相談する事も検討しておくべきでしょう。
(手汗の治療には手術以外の方法もあります。)